ザンビアの南ルアングワ国立公園で死んだワニの上に横たわる死んだゾウが発見された。奇妙な瞬間ではあるが、両者には一体何が起こったのだろうか。
ザンビアの南ルアングワ国立公園でサファリパークのガイドであるアンドリュー・ムワンザさんが「死んだワニの上に横たわる死んだゾウ」を発見し、その様子をカメラに抑えました。
サファリパークはこの画像をFacebook上に投稿し、「非常に奇妙…」と綴っています。この両者の珍しい死に様は、いかにして起こったのでしょうか。
撮影者によると、死んだゾウとワニは身体の大きさから判断して、若い個体のように見えたと言います。
南ルアングワ保護局の職員によるその後の調査により、両者の身体から弾丸が発見されなかったことが分かっており、密猟によって命を落としたわけではないとされています。
ルアングワ川にはたくさんのナイルワニが生息しており、川を渡ったり、水を飲みに来るゾウを捕食することがあります。
成体のナイルワニは6メートルの大きさ、750キロほどの重さまで成長することがあります。それに比べて、アフリカゾウの成体は体重2,000〜6,000キロを超える大きさとなります。
そのため、ワニは健康な成体のゾウを攻撃することを避けるとカリフォルニア大学サンタバーバラ校の海洋科学研究所にあるクロコダイル研究連合の共同創設者であるマリサ・テレスさんは言います。
また、ゾウが怪我をしていたとしても写真のワニは身体が小さいため、ワニにとって大きすぎる仕事であると考えられます。
では、一体何が起こったのでしょうか。テレスさんは、ワニがゾウから巣を守ろうとした若いメスであったのではないかとしています。
そして、ゾウはライオンなどに襲われたことで怪我をしていた可能性。健康なゾウはワニと対峙することができますが、負傷したゾウには戦う気力が残っていなかったのでしょう。
最後に、サファリパークの代表者は川の捕食者と戦ったゾウが怪我や疲労によって倒れてしまったのだろうと結論づけています。
「激闘の末の相打ち」両者にとってはなんとも不幸な結末ではありますが、漁夫の利を得たものも存在します。
サバンナの死体を貪る数十ものハゲワシにとっては、大量の幸せな食事となったのです。
reference: livescience