私たち自身が普段感じるように、一日中コンピューターの画面を見つめているのは肉体的に悪いということは明らかです。実際に、眼科医は長時間画面を見ていることによる視力のぼやけ、目の刺激、頭痛、首や腰の痛みなどにつながるこの影響のことを、「コンピュータービジョン症候群」と呼んでいます。
長時間画面を見ていることで、瞬きの回数が減り、ドライアイを引き起こします。また、コンピューター上の情報を処理するために眼の筋肉運動が活発になり、これらの症状が出てしまうとのことです。
その中で、コンピューターや携帯電話から放出される「ブルーライト」の影響については、まだ不確かなのですが、アプリ開発者などが目を守る安全な対策方法として「ダークモード」を推奨していたり、「ブルーライトメガネ」や「ブルーライトレンズ」などを販売する企業なども出てきています。
最近のCBCマーケットプレイスの調査では、カナダのVogue OpticalやHudson’s Bay Optical、そして、国際的眼鏡チェーン店のLenscraftersは、ブルーライトレンズは健康に不可欠なものであるとして、コンピューターを長時間使用する人に積極的に推奨しているということが明らかになっています。
実際に、Vogue OpticalとHudson’s Bay Opticalの両方が、ブルーライトを癌リスクの増加に結び付けた嘘の情報を流していました。ですが、専門家によると黄斑変性症や白内障などの病気に、ブルーライトとの関連性はないといいます。また、眼科医によっては、その危険性など嘘を患者に話し、ブルーライトレンズを売り込んでいたということもわかっています。
CBCマーケットプレイスが撮影した隠しカメラの映像によると、ある眼科医は、ブルーライトが『目の奥まで浸透する』くらい強い光だと言っていたり、店のセールスマンは、『視力を失う可能性がある』と事実ではないことを話していたということが判明しました。
一般にコンピューターや携帯電話を介して、ブルーライトは、目の症状に関連し、体内時計を崩すという可能性はありますが、これは太陽がブルーライトの主要源であるという事実が関係しているでしょう。
ブルーライトレンズ・マーケティング(ブルーライトを売りにしてものを販売すること)は、カナダだけではありません。レンズクラフターズのアメリカ版ウェブサイトでは、ブルーライトレンズを使用するメリットとブルーライトの危険性を促進することに関するページを提供していますが、ブルーライトそのものというよりは、太陽による影響としてセールを行っています。
また、ゼンニオプは「FryEye」という商品名で、UVライトとブルーライトカットによる目の疲労対策のために、ブロク™レンズを提供しています。ウォービー・パーカーでも、「ブルーライトフィルタリング」レンズを提供していますが、レンズのメリットについてあからさまな宣伝は行っていません。
ブルーライトレンズが、根拠のない事実を売りにして販売されていることもあるので、それを理解したうえで、商品を見定める必要があるのです。ファッションを気にしてメガネの購入を考えているなら、サングラスなどを買うことが無難でしょう。健康な人は、なにもかけずにいることが良いのかもしれません。
reference: vice