手洗いは大事です、本当に大事なのです。しかし子供たちにその重要性を目に見える形で示すにはどうしたらよいのでしょうか?
アイダホフォールズにあるディスカバリー小学校の先生であるダイナ・ロバートソンさんはソーシャルメディア上で、必要なものは食パン数枚だけですよ、とその答えをシェアしました。
ロバートソンさんは同僚と行動学専門家のジェラリー・メトカーフさんと共に生徒を巻き込んでこの古典的な課外授業を行いました。同じ日に同じ袋から取り出した食パンを清潔さの違う手で触らせる、という実験です。
そしてそれぞれビニール袋に密封し1ヶ月後どうなるか観察します。
「開封したばかりの新鮮なパンを手で触りました。」メトカーフさんはFacebookの投稿で説明しています。現在65000回ほどシェアされており、まだシェア数は伸び続けています。
「1つは全く触っていないもの、1つは手洗いしない汚い手で触ったもの、そして消毒剤で消毒した手で触ったもの、それから温水と石鹸で洗った手で触ったものを用意しました。もう1つ、教室のパソコンをパンで擦ったものも用意することにしました。」
パソコンにこすりつけた食パンはとても良い標本となりました。ほかの食パンも面白い結果となりました。ただ、『温水と石鹸で手洗いした』パンだけは例外です。このパンだけは子供たちの小さな手で触られることがないように厳重に密封したのです。
ご覧頂いてわかる通り、全く触っていないパンはきれいな状態です。『水と石鹸』のパンも同じようにきれいな状態です、子供たちが触った凹みの跡以外は。
ほかのパンはどうなったでしょうか?あまり良い状態とは言えません。
『パソコン』、『汚い手』のパンは微生物混入の結果、見事にカビが生えていました。『消毒剤』のパンは正しい手洗いの代用にはならないことが明らかになりました。
教室で行ったこの実験は長年先生たちが教えてきたことを一瞬で子供たちに理解させる方法です。今回ロバートソンさんとメトカーフさんが行なった実験方法はミシガン州のC.S. Mott 小児病院のウェブサイトに掲載されています。
(世界中で行われる古典的な実験ではありますが、これをお読みになっている先生方は実験する前に各学校の健全安全基準を確認する必要があります。全ての管轄学区で子供たちが細菌農場を育てることを認めているわけではありません。)
「手指衛生実験」に必要なものなど詳細はここにリストアップされており、正しい手洗い方法とその理由も簡単に説明されています。
「手洗いは食事の準備前、準備中、そして準備後にも必要です。」疫学者のテリー・スティルウェル氏は説明しています。
「食事前、お手洗いの後、鼻をかんだ後、動物に触った後、そして汚いと思ったらいつでも手洗いしましょう。」とも話しています。
手洗いリストが長くなりました。しかし、私たちが触れるものの汚さを考えると、伝染性の病原菌や病気を感染させないためには重要なのです。
正しい手洗いをすべき理由を示しているのですが、悲しいことにそれに従わない、従っていても十分に手洗いできていないという研究結果も出ています。
少なくともアイダホの子供たちは気持ち悪い結果を見ることとなったシンプルな実験のおかげで手洗いの重要性をしっかり学んでいるはずでしょう。
このような目に見える形でわかりやすく物事の重要性について教えてくれる先生たちは、子供たちにとって貴重な存在です。
reference: sciencealert