あなたは感動的な映画を見て泣く派でしょうか?悲しい話や、テレビを見て涙を抑えられなくなりますか?きっとそんなあなたは感情を抑えられない弱い人間だと思うでしょう。しかし強い人間だって泣きますし、涙は弱さの象徴ではありません。泣くことや映画の登場人物(動物)の感情を感じ取れるのは感情が成熟している証拠です。
テレビで見る話はフィクションで俳優が私たちを泣かせ、感情を揺さぶるために演技をしているということはわかっているのに、なぜ泣いてしまうのでしょう?たとえただの演技だと分かっていても毎回心を捕らえられ、涙をおさえられないようです。
映画を見て泣くことは深い共感の現れです。映画の登場人物を通して実際痛みを経験しています。つまり人は他人の痛みや苦しみを自分の痛みや苦しみに関連付けることができるのです。フィクションであることは潜在意識では理解していますが感情はその違いがわかりません。
ではなぜ泣くことが強さの象徴だと言えるのでしょうか?たとえいつも感情に勝てないとしても共感できる人は強い人だと私たちはわかっています。周囲の人の感情すべてをその都度感じ取ることをちょっと想像してみてください、どう感じるでしょうか?そんなことには耐えられないし、気が狂ってしまう人もいるかもしれません。
でも共感できる人は耐えられるのです。彼らはそういった感情にどう向き合い、どう対処すべきかわかっていますし、その才能を持ちつつ全く普通に生活する術を持っているのです。
しかしそうでない人たちはどうでしょう?みんなが共感できるわけではなく、悲しい感動的な映画にただ泣くだけです。異論はあるでしょうか?
ある科学者の推測では、悲しい映画などを見ることは脳内のオキシトシンを増加させ、その増減は共感に関連しています。おそらくオキシトシンが増加することで映画を見て泣き、現実と架空の区別がつかなくなるのです。オキシトシンが上昇すればより共感するようになるというわけです。
さらに映画を見て泣くことはストレス軽減に役立ちます。自尊心を向上させ発散することができます。感情を吐き出し、軽くなったと感じます。公然と、みんなの前で泣くことは自分の弱さを見せることを恐れていないことを意味します。つまり自分の感受性に自信があり、それを見せることは弱さではないことを知っているということです。それどころか、感情が成熟し強いことを表しているのです。
reference:optimal positivity