コロナウイルスに感染し回復した患者でも再感染しやすいかもしれないと中華人民共和国国家衛生健康委員会の医師は警告しています。しかし、パニックになる必要はありません。再感染はコロナウイルスに限らずどの感染症にもありうることです。
「抗体は作られますが、人によっては抗体が持続しにくい場合があります。」と中日友好医院で肺炎予防治療の担当ディレクター、ジャン・チンユェン氏は金曜に行われた記者会見で話していたことを中国国営メディアCGTNが報じています。
「治癒した患者が再発する可能性があります。治癒しても引き続き予防に努めたほうがいいでしょう。」
感染すると体の免疫系は抗体というタンパク質を作り出し病原体に結合し無効化します。この無効化する過程には特定の鎮圧しようとしている病原体に結合するための特定の構造を持つ抗体が必要です。もしすでに病原体に感染している場合、免疫系は病原体を『記憶』してその病原体に対抗する抗体を待機させるのです。そのため再び感染することから守られます。
そういった事実を常識としてよく知られているのも関わらず同じウイルスに2度感染する可能性があります。インフルエンザに顕著ですが病原体によっては非常に早く変異するものもあり、以前の抗体が全く役に立たないケースがあります。毎年インフルエンザに感染するのはこれが原因の一つで、せっかく作られた抗体も翌年のインフルエンザシーズンには効かないのです。
ですから一生持続するどんな抗体にも効果は保証されていないのです。だからといってパニックになることはありません。
「確かに、全く免疫反応が起きず繰り返し感染する可能性がありますが、これはどんな感染症にもあることで、コロナウイルスに限った事ではないのです。」とレディング大学ウイルス学教授のイアン・ジョーンズ氏はコメントしています。
ウイルスが一斉に流行したか、一斉にワクチン接種された場合は感染率が劇的に下がり、大きく広がることはないというのが一般的な見解です。その場合でも感染症の影響を受けやすい人がかかってしまうことはあるでしょう。
2019年12月に武漢市で発生が発覚したコロナウイルス(2019-nCoV)には依然として分かっていないことがあります。今週世界でもっとも権威のある科学ジャーナルは、コロナウイルスは症状が出ていない人からの感染もあるという誤った主張を撤回したところです。
2月5日午後4時時点で、世界では24,613人の感染が確認され、そのうち中国本土の感染者数は24,390人にのぼります。死者は494人となり感染のほとんどは中国本土で起きています。死者数は2002年〜2003年に流行したSARSの死者数349人をすでに上回っています。
reference:iflscience