昨年9月にテネシー州にあるチャタヌーガ動物園は3匹のコモドドラゴンの赤ちゃんが誕生したことを発表しました。これは絶滅が危惧される危急種にとっても動物園にとってもいいニュースです。動物園のFacebookの投稿では、動物園にいるオスの助けを借りずに、つまり母親のチャーリー以外の誰のちからも借りずに妊娠したことを発表しました。
オスとの接触なしで産むという単為生殖は2000年前の未確認の情報を除いては哺乳類では起こりません。無脊椎動物ではあることです。爬虫類ではまれですが単為生殖はあります。例えば、昨年スミソニア国立動物園では成熟期以降にオスから隔離されていたウォータードラゴンの卵がかえったという例がありました。
このような爬虫類の生殖の特徴はまるでハリウッド版(マシュー・ブロデリック出演作)ゴジラの陰謀のようですが、コモドドラゴンはちょっと違います。映画の中ではメスはゴジラだけでなく、ゴジラの子孫も同じく潜在的に同じプロセスで永遠に繁殖します。これは単為生殖では一般的ですが、コモドドラゴンにはない性質です。動物園で新たにふ化したコモドドラゴンの子供たちは3匹ともオスなのです。
哺乳類はX染色体とY染色体の2種類あるのに対して、爬虫類の性別は多様です。性別の決定に染色体が関係なく、卵がふ化するときの気温で性別が決まる種類もいるのです。他にももっと複雑な方法で性別が決定づけられるものもあります。
コモドドラゴンのオスはZ染色体を2つ持っているのに対して、メスはW染色体とZ染色体を持っています。単為生殖の場合、母親はW染色体かZ染色体のどちらかを1つだけ持ち、複製させます。「単為生殖が起こるとき、母親はWWだけかZZだけの卵が作られるのです。WWの性染色体を持つ卵は発育することができず、ZZの染色体の卵だけが育ち、オスだけがふ化するわけです。」と動物園は説明をしています。
ですから、オスを待つことなく繁殖してメスが誕生する見込みはないのです。
動物園は今回単為生殖したチャーリーをオスのカダルと引き合わせようとしてきました。しかしチャーリーはカダルを受け付けず単為生殖に至ったのです。動物園のFacebookでは「野生ではコモドドラゴンはおもに個別行動をとり、近づくと暴力的になることがあります。そして両性的になり、単為生殖をするという結果に発展してきたのです。」という投稿もされています。メスは交尾に抵抗を示し、時に全力で拒絶することもあります。しかし相手のオス次第では一夫一婦制で長期的につがうのです。
コモドドラゴンはトカゲの仲間の中でも最も大きく、成長すると3メートルにもなります。ハンターとして並外れた成功をおさめたにもかかわらず、インドネシア南部の4つの小さな島にしか存在していないため将来が危惧され、飼育繁殖プログラムを促進中なのです。
トカゲ類にはさまざまな噂があり、例えば口の中にいる細菌によって獲物が敗血症を引き起こすといった話があります。しかし、これは間違いであることが証明されています。ですが、毒を持っていることが最近確認されたのです。しかし、毒は獲物獲得の戦略には重要ではないということはあまり知られていない事実です。
reference:iflscience