4月10日、パンデミックによって一変した世界の新たな常識に奮闘している頃、何百万キロも離れたところでは小さな宇宙探査が画期的なミッションを遂行していました。NASAの宇宙船ジュノーは木星への接近飛行のため26回目の近木点への急降下をしたのです。
高度4,200kmのところから宇宙船は私たちの太陽系で最も大きい惑星を詳細に測定ができるのです。また、 JunoCamという機器を使うことで木星の渦や乱流雲の詳細を写真に収めることができます。
この画像はNASAのソフトウェアエンジニアのケヴィン・ギル氏が元の画像を処理し、宇宙マニアのマイケル・ガラニン氏によって画質を高めたもので、惑星の北半球で、木星に吹き続ける風によって雲が伸びて折りたたまれて見える折りたたまれたフィラメント領域と呼ばれる激しい嵐がおこるエリアを映し出しています。
これらの領域は北半球、南半球ともに見ることができ、両極のサイクロン群にまで至りしばしば乱雑で混沌とした領域になります。通常サイクロンの中で見られる回転はいつくかの下部構造で散見されます。嵐は部分的にしか閉じておらず乱気流は隣接したジェット気流に吹き込みます。
このような領域を私たちはボイジャーやカッシーニ、ハッブルの写真からわかっていましたが、ジュノーの撮影した画像は今までで最もよく撮れていてより詳細に理解することが可能になったのです。ジュノーはさらにこの嵐が木星の表面だけで起きているのではなく、雲は木星表面から3,000km上空にまで伸びていることも教えてくれました。
ジュノーは2016年7月5日に木星の軌道に到着し、2016年8月27日に初めて近木点に接近し、まもなくミッションを終えようとしています。あと10回ほどの接近が計画されています。
木星が見せる光景は数世紀前の人々は見たことなどない驚異なのです。
ミッションが延長されない限り、最後となる35回目の近木点への接近は2021年7月30日を予定しており、カッシーニが以前行ったように、探査機は木星の雲の奥深くに華々しく最後の突入をし、信号が永遠に途絶えるまでできる限りデータを送信するのです。
reference:sciencealert