世界では、人口の増加とともにゴミの量が年々多くなっており、その処理方法に頭を悩ましている国は少なくありません。
日本もゴミ問題に直面している国の一つであり、日本のゴミ総排出量は4,289万トン。これはなんと東京ドーム115杯分に及びます。
日本のほとんどのゴミが焼却施設で燃やされた後地上に埋められていますが、もしこの大量のゴミを火山に放り込むことで処理するとした場合何が起こるのでしょうか?
まず初めに、火山にゴミを捨てるにはその大量のゴミを火口まで運ぶ必要があります。そうです。1つ目の問題点はすべてのゴミを火山に運ぶにはかなりのコストがかかるということです。
ほとんどの都市はゴミ処理場まで数十〜数百キロなのに対し、火山までは数千キロも離れています。また、大抵の都市では焼却プラントでゴミを燃やした熱を使って発電しているため、火山に投入するようになれば電気料金が上がる可能性が浮上します。
ですが、場所が変われば移動コストも変わります。火山に近い都市であれば、火山に投入することができるのではないのでしょうか?
しかし、残念。ここにも障壁が立ちはだかります。
なんと、全ての火山が常に沸き立つ溶岩を持っているわけではないのです。多くの火山は上部がクレーターのような形をした山か丘ですが、火口には溶岩よりも水などの液体がある場合が多いのです。
そうした火山であればゴミを投入するには噴火が始まるまで待たなくてはいけませんが、ほとんどの噴火はとても激しいため投入するのは極めて危険な挑戦になります。毎回のように犠牲者が出てしまうでしょう。
しかし、諦めるのはまだ早いかもしれません。
ハワイのキラウエア火山のように、溶岩がゆっくり流れている場所もあります。そこでゴミを処理できるかもしれません。
動きがゆっくりな場合ゴミを燃やすのも安全で簡単に見えますが、はたまたそこにも大きな問題が存在しています。生ゴミなどの有機物のかたまりが溶岩に触れたとき、燃えるのではなく爆発するのです。
研究がほとんどされていないため爆発の原因は明確には明らかにされていませんが、ネット上には火山にものを放り込む動画が数多く存在するため一目瞭然でしょう。
考えられる原因としては、ゴミの中にある水分が高温の溶岩に触れることで瞬時に沸騰するからでしょう。水蒸気が膨張し、ゴミや溶岩を爆発させるほどの勢いが生まれるのです。
もし仮に、一斉にではないにしろ東京ドーム115杯分のゴミを投げ入れたとしたら……とてつもない爆発が起きることは避けられないでしょう。
プラスチックなどは爆発こそしませんが、燃焼する際に有毒ガスが発生するのでまた別の問題があるのです。