遠い宇宙に存在する知的生命体による構造物

我々は、現代の高度な文明を維持するために日々莫大なエネルギーを消費しています。このエネルギーを賄うために人類は、石油などの化石燃料による発電や原子力発電などを行っています。

人類の文明が進化するにしたがって必要なエネルギーが増加していきますが、エネルギー問題の根本的な解決法はないのでしょうか。

なんと、この問題の画期的な解決法になるような突拍子もないアイデアを考えた科学者がいました。そのアイデアこそがダイソンスフィア、究極の発電装置です。

ダイソンスフィアとはどのような発電装置なのでしょうか?開発に成功している知的生命体は存在しているのでしょうか?

今回は夢の発電装置ダイソンスフィアについてご紹介したいと思います。

ダイソンスフィアとは、アメリカ合衆国の物理学者フリーマン・ダイソンが提唱した構造物です。恒星をぐるりと構造物で覆ってしまい、恒星が発生する莫大なエネルギーのすべてを利用して発電しようというとてつもない構想。

我々人類よりも遥かに高度な科学文明を持った知的生命体が既に実現している可能性があるというのです。

では、現在の人類が太陽全体を覆うような構造物を建設することは可能なのでしょうか。結論から言えば簡単にはできません。

地球の公転軌道に途方もない数の人工衛星を飛ばし、それらを結合してリングにしていくという気の遠くなるような作業が必要となります。そしてそのようなリングを無数に作り、最終的に球体の殻のようなもので太陽全体を覆うということになります。

費用を無視すれば、現在の人類にも可能な作業ではあります。地球から打ち上げるのが非効率ということであれば、月面や小惑星などに建設した基地から打ち上げることになるでしょう。

しかし、この方法では膨大な時間がかかるため、より早く建設するためには、宇宙空間を自由自在に移動できる人工知能搭載巨大作業ロボットの開発や地球以外の惑星などから資源を採掘する技術など、飛躍的なテクノロジーの進歩が必要となるでしょう。

しかし、宇宙の何処かにはダイソンスフィアが実現しているかもしれません。実はダイソンスフィアの存在が騒がれた星があるのです。

地球から見てはくちょう座の方向に1480光年離れた場所にある恒星であるKIC8462852は、直径が太陽の1.58倍で、表面温度が1000度ほど高い恒星ですが、通常の変光星のメカニズムでは説明の付かない極めて不規則な減光を起こすことで知られています。

恒星の光を22パーセントも減少させるというのです。この星を発見したのは、スザンヌ・ボヤジアンというルイジアナ州立大学の女性天体物理学者。この恒星は、彼女にちなんで「タビーの星」の愛称で親しまれています。

彼女はこの不規則な減光現象を説明するために、いくつかの仮説を立てました。恒星の周りの惑星が減光を引き起こしているものや、彗星のシャワー説、塵、そして宇宙人が造った巨大構造物ではないかというものです。

さらなる観測の結果、タビーの星の減光量は波長ごとに異なっていることが明らかになりました。これによって、減光が塵によるものであると言う説が有力となったのです。

というのも波長によって減光量が違うということは、恒星と地球との間にある遮蔽物が半透明なものである必要があり、惑星や彗星のシャワー、宇宙人による巨大構造物のような透明でないものでは説明できないというのです。

惑星が恒星に落ちることで破壊され、恒星の重力によって引き裂かれ、最終的に塵とガスになったものが恒星の周りを回っているという結論に至りました。

スザンヌ・ボヤジアンの研究ではひとまず、宇宙人による巨大構造物説は否定されました。ところが、宇宙人による巨大構造物が半透明なものであるとしたらどうでしょうか。

透明でないもので恒星を覆ってしまうとあまりにも膨大なエネルギーを閉じ込めてしまうため、構造物の温度が上昇し、融解してしまうかもしれません。

構造物が半透明であれば吸収して利用するエネルギーと宇宙空間に逃がすエネルギーのバランスをとることができます。したがって、宇宙人による巨大構造物説が完全に否定された訳ではないのです。

想像してみてください。人類よりはるかに進んだ知的生命体が恒星からエネルギーを吸い取る巨大発電装置を完成させているとしたら。

いつの日か、人類がダイソンスフィアを完成させる日は来るのでしょうか?それとも、その日が来る前に滅亡を迎えるのでしょうか?



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