運動ニューロン疾患は脳と神経を変性させ、患者を徐々に衰弱させる疾患であり、ほぼすべてのケースで死に至り、余命は著しく短くなると英国の国民保険サービスでは説明されています。しかし、ひとりの科学者が、この疾患によって始まった死へのカウントダウンと闘うこと、そして、その過程で人間以外のものに変わることを決意しました。
筋肉消耗疾患のため余命が長くないと医師に宣告されたピーター・スコット゠モーガンは、決意をして以来、困難に屈することなく運命に立ち向かってきました。
末期患者でありながら科学者でもあるこのイギリス人は余命を延ばす方法を見出し、「ピーター2.0」と名付けた世界初の完全なサイボーグに変容を遂げたのです。
英国の新聞デイリー・メイルによると、2017年に運動ニューロン疾患と診断されたスコット゠モーガンは運命に抗うことを決意し、その過程で、科学的に進化する方法を使って達成できるものの限界を超えようと考えたということです。つまり、余命を延ばすために全身をロボットのようにする決心をしたのです。
同記事によると、この61歳の科学者は24日間の集中治療を終えて帰宅した後に「ピーター2.0が現在オンライン」であると知らせたそうです。また、変容を達成するために非常に複雑で危険を伴う手術を何度も受けなくてはならなかったとも伝えています。
顔の筋肉を使えなくなる前にアバターを作成したことも変容には含まれていました。本人そっくりのこのアバターは様々な顔の表情を見せることができます。
その一方で、視線のみで複数のコンピューターを操作するのに役立つ視線追跡技術の利用に取り組むこともなされています。
また、変容の一環として喉頭を切除する手術を受けたので声を失うことになりました。この処置は唾液が肺に入るのを防ぐためのものです。
10月10日にスコット゠モーガンはサイボーグに変容するための最後の医療処置を終えた際に「あと数十年、生きることのできる可能性」のために声を犠牲にしたのだと言います。「私は死ぬのではありません。変容しているのです。あぁ、なんて科学はすばらしいんだろう!」という彼の言葉も紹介されています。
スコット゠モーガンは今日までに造られた中で「最も進化した人間的かつ人工頭脳的な生命体」に変容しており、「世界初の完全なサイボーグ」になる予定だと自身のウェブサイトで述べています。
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reference: news18