マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが、磁気で操作することのできるヒモ型ロボットの開発に成功。この技術によって、脳内の血栓などを安全に取り除くことが可能となる。
研究の詳細は「Science Robotics」に8月28日付けで掲載されている。
血栓は、血管内の多くの部分で形成される凝固した血液の塊であるが、脳内にできると特に危険であり、重度の頭痛、脳出血、脳卒中を引き起こす可能性がある。
脳内の血栓は、薬で治療できる場合もあるが、脳内菅血栓摘出手術と呼ばれる方法で取り除くこともある。
この治療は、ワイヤーを脳内の血管に手作業で通すため、著しく熟練した外科医が処置する必要がある。外科医にとっては非常に困難な手術であるだけでなく、患者の脳内の経路を見るために必要なX線に曝されるリスクもあるのだ。
MITの研究チームは、磁気で操縦することのできるヘビ型ロボットを使用した血栓摘出の手法を提案。これは、ロボットを遠隔操作することができ、医師がX線に直接曝される心配がない。
ロボットの芯はニッケルとチタンの合金、ニチノールでできており、磁性粒子を含むゴムやインクで全体がコーティングされている。
チームは、ロボットの試作品を通常より少しサイズの大きい脳の血管構造において誘導をテストすることに成功している。実際の血管でテストできるよう、血管構造を小型化することを望んでいる。
reference: vice